U17日本代表とスペイン代表比較-High Pick時のスペーシング

戦術分解

今回は、U17日本代表のOFFで使われているPick&Rollについて考察していきたいと思います。

より良いPick&RollをU17日本代表が行うためには、どうしたらいいのか?

本投稿では、スペーシングの観点から、スペインとの比較分析をしていきたいと思います。

日本代表のPick&Rollの攻め方

U17日本代表が使っている主なBall screenを使った攻め方を、まずは確認しておきましょう。

主に使うBall screenは3つにまとめられます。

  1. high pick
  2. high pick+flip
  3. side pick+step up
high pick
high pick+flip
side pick+step up

スペイン代表のPick&Rollの攻め方

U 17スペイン代表が主に使っているBall screenとしては、次の形でまとめらます。

  1. high pick-1front
  2. high pick-2front
  3. side pick

スペイン代表は、high pickからの展開が非常に多く見られます。

High pickの整理

様々なpickの整理の仕方があると思いますが、今回は自分の整理の仕方でいきます。

High pickでボールハンドラーの進行する方向に、味方オフェンスが何人いるのか、後ろに何人いるのかをfront/backという言葉で整理してみます。表し方は次のようになります。スクリーナーは数にカウントしません。    

  • 1front/2back= ハンドラーの進行方向1人/うしろに2人
  • 2front/1back= ハンドラーの進行方向2人/うしろに1人 
high pick-1front
high pick-2front
hi pick-2front

日本とスペイン:Pick比較分析

特に両国で比較することができるのは、High pickの部分になりそうです。アライメント(選手の配置)の部分で、比較をしてみます。

アライメント(選手の配置)

選手がどこにいるのかというのは、スペーシングにつながる部分になります。

日本代表のhigh pick

2front側への進行
2front側への進行からFlip

ペイントエリアの味方を数に含めたサイド、2front側へハンドラーが進行場面を取り上げます。
最初のクリップでは、ペイントエリアの味方の配置が少し遅れているように見えます。

この遅れについて考えられるのは、ゴール下でのダックイン、もしくはスクリーナーのpickでのダイブのためのスペースを与えることが考えられるかと

僕は、日本のインサイド人にダックインさせたり、pick-diveでボールが入るかは正直厳しいかなと考えます。
個人的には、この2点は日本代表が再現性を持って狙える攻め方とは思えません。

一方で、2front側のもう一人の味方は、ウィングポジションから少しずつ下に移動します。

1back側に目を向けてみると、両クリップともかなりコーナーまで落ちています。
Flipした際には、すでにコーナーに味方がいるため、ハンドラーの選手もボールをファールラインより下まで保持することができています。

スペイン代表:2front配置①

スペイン代表のアライメントを見てましょう。

2front側の配置
2front側 ウィング配置が高い場合

2つのクリップの2front側の味方は、コーナーとファウルラインの延長線上に配置しています。

1つ目のクリップでは、ファウルラインよりも少しだけ下にいます。一方2つ目のクリップでは、ファウルラインよりも上に味方がいることで、日本代表のwallしている選手にドリブルカットを狙われています。

1つめのクリップと2つ目のクリップで、多少の配置の差がありそうです。
ただこのスペーシンで、ハンドラーがドリブルできるのは45あたりまでです。

スペイン代表:2front配置②

スペイン代表の2frontには、もう一つあります

2front=short corner+low wing
2front=short corner+low wing

この2frontでの配置は、short corner+low wingになっています。

これは、ハンドラーにとってかなり大きなスペーシングができます。スペインのハンドラーも落ち着いて周りを見ながら、レイアップまで持ち込むことができます。

分析と見解

今回は、日本代表とスペイン代表のHigh Pick時のスペーシングを比較をしてきました。

特に、気になったのは2front時の攻め方です。
High pick時には、日本代表は2frontの配置が少しスペーシングを得づらい配置になっている印象があります。

では、2front側の配置をスペインのようにshort corner+low wingにしたら
日本代表のHigh Pickは効果的に決まるのでしょうか?

スペーシングの観点から行くと、スペーシングはかなり良くなると思います。

では、スペーシングが解決すると日本代表はpick&rollが効果的な攻め方になるのでしょうか?

今のところ僕はそう思いません。
なぜそう思うのかについては、後日記事を作って投稿できたらと思います。

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