今回は、U17日本代表がPick&Rollを使うのなら、どのように活用するか?について考察。
世界のバスケットでトレンドを走るPick&Rollに対して、日本にフィットしそうな使い方を探ります。
日本と海外のPick&Rollにおける違い
今回のU17ワールドカップで、日本と海外のPick&Rollにおける違いを示していきます。
ScreenerのDiveにボールが入りそうか
2つのクリップは、スペイン代表のpickからDiveへボールが入るシーンです。
スペイン代表のPick&Rollの特徴を、整理してみましょう。次の要素が挙げられます。
- スクリーナーの体の幅が大きく、ほぼ確実にハンドラーとDEFにズレを生む
- スクリーナーのDEFがドロップの状態(インサイドでの対応に集中するため)
- ハンドラーのDEFがスクリーナーの幅を気にして少し前にでる(chaseを行いため)
pick&rollを2人で完結させるためには、やはりセンターの高さ、幅が重要ですね。
ちなみに、今回のワールドカップで日本代表は、Pick&RollでDiveに対してボールが入ったシーンをあまり見かけることは、できませんでした。
pick&Rollにおいて、まず表の選択肢に挙げられるのはDiveへのPassで、これが最も省エネで効率がいいですね
vs Switchへの苦戦
Pick&Roll時に、日本代表が最も苦しんだのが、「Switch」になります。
Switchに対しては、スペインやフランスなど欧州の強豪はもちろん、アジア予選で勝利したインドやニュージーランドにも、苦戦を強いられていました。
Switchもしくは、Show upに来られた時、日本代表はズレを作ることができずに停滞してしうことが多々みられました。
SwitchやShow upは、スクリーナーのDEFが前に出てくるものです。その前に出てくる要因としては、
先ほど上記で述べたように、Diveに対してハンドラーからボールが入らないということを見越してだと考えられます。
日本がもし、pickを使うのであれば、vs Switchに対してのオプションを必ず持つ必要があると思います
日本がPickを使うのなら?
では、日本はPickを使うならどういった活用方法がいいのか?個人的な見解をまとめます。
- TOPから45にボールが落ちない時=High Pick
- Angle changeからpost feedでのペイントタッチ
- weak side step up screenでのpick&roll
それぞれ意図を説明していきます。
TOPから45にボールが落ちない時=High Pick
現在、Bリーグでもみられる傾向ですが、DEF側がOFFに簡単に展開させないように、45にDenyを強烈に仕掛けることがあります。
そこで、45にボールを落とすことなく、OFFをスタートさせる方法の一つとしてHigh pickがあります。
どうしても、Topからボールを触れない場合には、やはりHigh Pickは有効です。
Angle changeからのPost feedでのペイントタッチ
日本代表の大きな課題としてみられるのが、どのようにペイントタッチを行うかだと考えます。
pick&Rollでペイントタッチが主流となる中、日本代表がどのようにペイントタッチを図るのか。
フランス戦、日本の攻撃ではpost feedがよく見られました。
こうした、一見シンプルな攻めもカッティングとの組み合わせ次第では、強烈な武器となります。
Pickとこれを組み合わせ、pick-lift-feedの形でポストにボールを入れてみるのもアリですね
weak side step up screenでのpick&roll
日本代表のpick&rollにおいて、最も有効だったのがこの戦術でした。
Weak side step up screen=Side pick+Step up screen
こちらの主な狙いとしては、最初のside pickでDiveするセンターにweak side(help サイド)のビッグマンがtagもしくは、意識が向きます。
そこですかさず逆サイドのガードを使っての、step up screenになります。
相手センターは、side pickへ反応してるため、step up時には出遅れるというものです。
この配置であれば、Switchもしくはshow upが来た際すぐに、逆サイドのガード捌きプレッシャーリリースも可能ですね
分析と見解
戦術の表と裏でいえば、表(Diveへのパス)が、日本にはありません。となると、裏の選択肢が表になる必要があり、それに対するオプションが必要です。
また、Switchへの対応を考えると誰かがボールを受けにくる必要があります。
そうなれば、Pick時のスペーシングは少し狭くならざるをえません。
最後にどのように日本代表が、ペイントに襲いかかることができるのか、これに関する考察は、後日記事でまとめて更新します。
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